コラム

納骨堂で働くということ―それぞれ想い―

「満足していただくために」運営部主事・柳沼さんの場合3

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東京御廟の参拝室には、中央がくり抜かれた黒御影石の墓碑が鎮座している。 設置されたタッチパネルに会員カードをかざすと、くり抜いたスペースに銘板とご遺骨が入った厨子(★)がはめ込まれて、参拝できる仕組みになっている。

銘板とは○○家などと刻まれた石のプレートである。

「ご契約を頂いたお客様の気持ちが反映できる部分が銘板。そこに熱い想いを託すお客様もいらっしゃいます」。

東京御廟の開廟当初、銘板に刻む書体や文字のバランス、家紋や模様などのバリエーションなどの相談や発注を担当していた柳沼はそう感じている。

それはご遺族の気持ちを目の当たりにしているからだ。

どのような銘板にしたいのか。ご遺族から要望を聞くたび、ご遺族の方々の思いを大切にしなければ、と柳沼は強く思う。

銘板の発注時期や彫りの手間によっては、法要の日に間に合わないというケースがどうしても出てくる。とはいえ、ご遺族にとってその納骨や法要は、当然、一生に一度のことである。なかには納得しないご遺族もいる。

「ご遺族の方々の気持ちを反映でき、もっとも関わっていただける部分が銘板だと思うのです。
間に合わないなら間に合わない理由を、きちんと理解していただけるまでご説明しないと。前にいた保険会社では、数字やノルマをどうしても意識せざるをえませんでした。でも、いまは何よりも人の気持ち、故人様への思いなどを一番に考えなければ、という気持ちに変わりました」

東京御廟には計8箇所の参拝スペースが設けられているが、法要が重なった週末などは混雑してしまう場合もある。

「こぢんまりとした納骨堂ですから、そこがいいとおっしゃってくださる方も多いのですが……。申し訳ないなと感じることもあるんです。ご利用いただく方々にもっと満足していただくにはどうしたらいいのか、日々、考えているんですよ」

(続く)

★「厨子」=骨壺をおさめるステンレス製の箱のこと

文・奥田竜之介

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