コラム

納骨堂で働くということ―それぞれ想い―

「故人と再会できる場所」契約担当リーダー・鈴木さんの場合1

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画期的だな……。

見学客を案内する契約担当リーダーの鈴木は、東京御廟の搬送式納骨堂の仕組みを知り、素直に感心した。

しかも場所は都心である。鈴木の実家の墓があるのは東京都下。都内の自宅から自動車で行くにしてもひどい渋滞に巻き込まれる、電車だとしても駅から寺院へのバス待ちの時間がかかる……。墓参りは一日がかりだった。

それでも、幼いころは遠出自体が楽しかったが、成長すると徐々に煩わしくなっていった。鈴木はいう。

「行かなければ、と思うんですがなかなか気軽に行くことができませんでした。だから交通の便がいい都心で、お参りできるなんていいなあと思いました。お買い物ついでにお参りできるわけですから」

東京御廟には、献花用の花や線香はあらかじめ用意されている。契約した際に渡される会員カードを参拝スペースに設置されたタッチパネルにかざすと、遺骨が収納された厨子が黒御影石の墓碑にセットされる仕組みになっている。モニターに遺影を映し出すこともできる。手ぶらで訪れても、会員カード1枚さえ持っていれば、故人と対面できるわけだ。

「墓碑にセットされる銘板の裏には、厨子に納められたご遺骨があるわけです。ご遺骨が近くてうらやましいと思いました。銘板に触れば、亡くなった方に触れることができるような気持ちになるといえばいいでしょうか。普通のお墓だと、ご遺骨は地中ですよね。東京御廟の納骨堂は、普通のお墓よりも故人との距離を近く感じられるような気がするんです」

鈴木は自身の宗教観を語り、こう続ける。

「子どものころから、お墓に手を合わせると亡くなった人と会えるという気がしていました。お墓は故人に再会できる場所だと思います」

(続く)

文・奥田竜之介

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