コラム

納骨堂で働くということ―それぞれ想い―

「悲しみを支える」契約担当リーダー・鈴木さんの場合3

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「悲しみを支える」契約担当リーダー・鈴木さんの場合3

「納骨できて、ホッとしました」

東京御廟に足を運んだ人たちのそんな言葉が、働くやりがいだと鈴木は語る。

「『お辛かったですね』と声をかけると、身の上話がはじまったり、故人の思い出を話してくださったり……。辛い思いを口に出すと少しだけ楽になることもあるでしょうから」

事故や病気、災害などで大切な人を喪ったときに襲う悲嘆(グリーフ)をどのように乗り越えていくか。

東日本大震災を機に注目が集まっているのが、グリーフケアだ。

上智大学では、グリーフケアを専門的に研究・実践する研究所も設立された。悲嘆からの回復では、心のうちを語り、感情を表に出すのが重要なのだという。

鈴木たち東京御廟のスタッフたちもまた、悲しみを抱える人のグリーフケアを行っているのかもしれない。

「そういう意識はありませんが」と鈴木は笑う。

「大切な人を亡くしたばかりだと、辛くて悲しい気持ちだから、緊張している方が多いように見えます。でも、四十九日を終えて、一周忌を済ませるとみなさん穏やかになってるんです。それが嬉しいですね」

子どもを亡くして悲しみに暮れて泣いてばかりいたご夫婦が一周忌を終えて「○○ちゃん、きたよ」と墓碑に明るく声をかける。そして、手を合わせて近況を報告してから「またくるからね」と笑顔で帰っていく。そんな姿に鈴木は「グッとくる」という。

「なかには、毎週お参りにきて1週間の出来事を墓前で話していく人もいます。寺院が遠方だと、なかなかできませんよね。頻繁にお参りすることで、心が落ち着き、安らいでいくのではないかという気がしています。私たちが支えになれているかどうかは分かりませんが、とてもいい職場だなと感じています」

(続く)

文・奥田竜之介

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