コラム

ここで一服

第18回 お布施と派遣僧侶 (派遣僧侶について・下)

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〝定額僧侶手配〟
僧侶派遣業者のホームページにはそのような文字が並んでいます。

〝定額〟は、まだいい方で、ときには
〝激安僧侶〟というキャッチフレーズを目にすることも。

僧侶派遣業が業務として定着したのは、時代の要請だったといえるでしょうが、
そのようなホームページを見ると、どうも違和感を覚えます。

町屋光明寺は浄土真宗の寺院であり、東京御廟は宗派を問わない納骨堂です。
よって浄土真宗以外のご葬儀やご法事の依頼があれば、
昔からお付き合いがあり信頼できる他宗派のお寺のご住職にお願いして
儀式を執行していただきます。
これはいわばご葬家の利便性を考えた寺院紹介といっても良いでしょう。

けれども、”激安僧侶・布施激安”などをうたい文句に、
ご僧侶の派遣が完全に営利目的化されているインターネットの業者などには
疑問を持ちます。

本来お布施とは、己の財産を他者に差し出すという修行の一つです。
ですから僧侶が儀式や供養を行うことはお布施を頂くことの代償ではありません。

その意味からも、お布施の多寡は言及することは筋が違っています。
けれども、現在ではお布施にも相場ができてしまいました。

そして、高い、安いという話になり、
最後には〝坊主丸儲け〟と揶揄されるようになっていったのです。

いろいろ申しましたが、どの様な立場のご僧侶であっても
必要とされて故人様をご供養されるわけですし、
都市部でお寺との繋がりを持てずに困っている方が
便利にご利用になる機会は少なくないと思います。

それもまた、ひとつのご縁といえるでしょう。

よく考えれば結局はそのご縁が何であろうとも、私ども僧侶はその役割を全うし、
葬家に仏縁を運ぶことが、何よりも大切なのではないか、と思っております。

取材・構成/山川徹

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