コラム

すず娘のプチ修行

すず娘のプチ修行 第四回「すず娘も地獄は怖いの巻」

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すず娘も地獄は怖いの巻 すず娘

なんまんだぶなんまんだぶ…

和尚

すず娘や、どうしたのかね?

すず娘

実はさっき、うっかり蟻んこを踏んでしまったのです。

和尚

だから、南無阿弥陀仏と称(とな)えていたのかな?

すず娘

はい。

和尚

小さな蟻にも命があるからの。

すず娘

和尚さん、「南無阿弥陀仏」と言えば、どんなことでも無罪になるんですよね?

和尚

蟻の為に称(とな)えていたのではなかったのかな?

すず娘

いいえ。殺生(せっしょう)をすると地獄に落ちると、小さいころから言われていたけれど、今日、おばあちゃんから「南無阿弥陀仏と称えたら、みんな地獄では無く極楽浄土に行ける」って教えてもらったので。

和尚

それはそうだが、信じる心も大切じゃ。
「南無阿弥陀仏」と口に出すことを念仏というのだけれど、
念仏とは、「念」じる「仏」様と書くじゃろ。
つまり、念仏とは先ずは仏様を思いおすがりする、
その有り難いという思いが自然と言葉になって口から出てくることをいうんじゃ。
すず娘は、仏様のことがちょっとでも頭に思い浮かんだかな?

すず娘

いいえ。「地獄に行かずに済みますように」とお願いしました。

和尚

やれやれ。すず娘はお念仏は仏様ではなく閻魔様へのお願いじゃなぁ。

【仏教豆知識】

念仏といえば、「南無阿弥陀仏」ですが、
それは仏道修行のひとつにあたります。

そしてこのお念仏を、「念仏を称えたら、誰もが助かる(極楽へいける)」
と解釈している方も多いかと思います。

しかし「南無阿弥陀仏」とは、
「わたくしは仏様に帰依(よりどころとするの意)します」という意味です。

つまり「極楽にいけますように」というお願いではなく、
「仏様守って下さり、ありがとうございます」という気持ちで称えるものです。

例えば病院で、大けがをして子供が痛がっていたとします。
そこにお医者さんがあらわれて、すっと痛みをとってくれたとします。

そんなとき、素直な気持ちで「ありがとう」とお礼の言葉が出てきます。
つまり、良いことが起きる前に「ありがとう」という人はおりません。

同じように慈悲深い仏様が、罪深い私に手を差し伸べて下さっていると感じたとき、
自然と出てくる報恩感謝の言葉こそが「南無阿弥陀仏」というお念仏なのです。

イラスト:砂絵工房

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