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納骨堂の歴史と種類

納骨堂の歴史と種類


都市型生活を送る人が増え、少子化の進んだ現代、『納骨堂』タイプのお墓にかつてない注目が集まっています。高額の墓石を購入して、新幹線や飛行機を使って遠方までお参りに行くという今までのご供養のスタイルは、大きく変わりつつあります。納骨堂タイプのお墓のほとんどは、後継ぎのいないご家族でも安心して旅立てるシステムが整っており、将来はお墓のスタンダードになるとも言われています。ここでは、その納骨堂の歴史と種類をご説明します。ロッカー式、仏壇式、自動搬送式などさまざまなタイプが登場し、選択肢も増えてきました。それぞれのメリット/デメリットを知れば、よりご家族やご自身のお気持ちに合った納骨堂と出会えるのではないでしょうか。

納骨堂の歴史


お墓のあり方が変化してきた現代、納骨堂というご供養の形が知られるようになりましたが、その起源は奈良時代までさかのぼります。奈良時代の貴族、豪族、天皇家の方たちは、親族のご遺体を『霊廟』と呼ばれる納骨堂に安置しておきました。当時の庶民は土葬が一般的だったため、納骨堂は上流階級の人々のみが使う施設でした。こういった貴族の葬送方法は、エジプトのピラミッドなど他の国でも見られることです。それとは別に、豪雪地帯など自然災害が起きやすいエリアでは、シーズンによってはお参りが困難な期間があります。そのため、天候に左右されない納骨堂が早い段階から普及したケースもありました。また、九州では昔から合祀が一般的だったエリアもあります。こうした庶民の納骨堂は、ほとんどの場合はお寺や神社が独自に建てており、近隣の住民が利用していました。

全国的に庶民が納骨堂を使用できるようになったのは、大正時代と言われています。江戸時代に「檀家制度」が敷かれ、各家庭いずれかのお寺の檀家になることが義務づけられました。このとき、わたしたちの最もなじみのある「家」を中心としたお墓が普及したのです。ところが、大正12年に関東大震災が起り、家族全員が亡くなってしまったり、膨大な数の墓石が破損するなどして、お墓の管理が困難なエリアが出てきました。そこで、大正15年に都内各所に納骨堂が設けられることになりました。都内約200ヶ所に設置された納骨堂には、主に震災で亡くなられた引き取り手のないお骨が納骨されました。以降は震災に限らず、無縁仏も納骨堂で供養されるようになりました。

現代のような、永代供養を謳う納骨堂ができたのは昭和50年代からだと言われています。地代の高騰、核家族化、大不況、少子化、と時代が進んで行くにつれ、かつての「長男が家を構え、一族のお墓を建てる」「家のお墓を子孫が守り継いでいく」というライフスタイルが成り立たないご家庭が増えてきました。一方、納骨堂は骨壺を並べただけの施設だったり、遺骨を一ヶ所に集めた合祀の場合が多く、お参りや法要がしづらいという問題がありました。そこで、昭和になってからご遺族が思いを込めてご供養できるようにと、新たなタイプの納骨堂が建てられるようになりました。かつての「無縁仏を供養する場所」というイメージは消えつつあり、新しい時代のお墓として浸透しています。

納骨堂の種類


現代の納骨堂には、さまざまな種類があります。ここでは、ロッカー式、仏壇式、自動搬送式、それぞれの費用相場やメリットとデメリットを解説します。

ロッカー式


ロッカー型に区分された棚に、お骨を収めるタイプの納骨堂です。棚には鍵付の扉がついており、ご遺族が自由にお参り・お供えができる場合と、スタッフにお骨を出してもらう形式と、施設によってお参りの方法が変わります。また、お骨だけが納められている小さめのタイプから、ご位牌などを一緒に納められる大きなタイプまで、さまざまなサイズがあります。

[費用]
5万~50万円
施設の立地、ロッカーの扉の装飾、大きさ、ご供養の期間などによって変わりますが、他の納骨堂と比較すると安価です。

[メリット]
他のタイプに比べてかなり安価にご利用できます。また、棚内のスペースは個人使用となるため、飲食物以外であれば、お供え物を納められる場合がほとんどです。

[デメリット]
「ロッカー」という言葉がコインロッカーをイメージさせるため、ご供養にそぐわないと感じられるご遺族もいらっしゃいます。また、スペース的にお2人程度のご遺骨が限度な場合が多く、ご家族代々のお墓としてはご利用できません。

費用を抑えたい方、プライバシーを守りたい方におすすめです。

仏壇式


ロッカー式のように棚になっていますが、上段に仏壇、下段にお骨、と2段に分れて安置するタイプです。使用方法はロッカー式とほぼ同様で、施設が開いている時間であれば、自由にお参りができます。

[費用]
30~200万円
仏壇の大きさ、装飾等でも価格が変わります。

[メリット]
「ロッカー式では味気ない」と感じるご遺族でも、仏壇を拝むことで屋外のお墓と同じような思いでお参りすることができます。また、ロッカー式よりも専有スペースが多いため副葬品も納めやすく、ご家族代々のお墓としてもご利用できます。ご自宅に仏壇を置くスペースがないご家庭は、位牌堂の手配を省略できます。

[デメリット]
棚に納骨するタイプのお墓としては、ロッカー式よりも費用が高くなります。また、仏壇には宗派があるため、無宗教、ほかの宗教を信仰されている方の中には、仏壇を拝むことに抵抗を覚える方もいらっしゃいます。

自動搬送式


普段は決められた収納場所にあるご遺骨を、ご遺族が訪れたときに自動的にお参りスペースに移動させるシステムです。各ご家庭に専用のカード等を配布し、施設でご提示いただくことでご遺骨を移動します。お参りスペースには仏像や石碑、仏花などが用意されており、ご遺族が集まる頃にはご遺骨と卒塔婆や遺影などが自動的に運ばれるように手配されます。

[費用]
80~300万円
お参りスペースの広さによって費用が変わります。また、オープンな空間よりもプライベートな空間の方が費用が上がります。

[メリット]
屋外のお墓と同じように、広々とした空間でお参りができます。また、お参りスペースのほか、葬儀や法要を行えるお部屋を備えた納骨堂もあります。

[デメリット]
お参りスペースが共有のため、お盆などの繁忙期はご予約が必要となります。また、機械式なので、故障というトラブルも考慮しなければなりません。

屋外のお墓のように、ご家族で一緒にお参りしたい方におすすめします。

位牌式


戒名の書かれたご位牌を、仏像が見守る位牌壇に安置します。お骨は別の場所に納められている場合がほとんどです。

[費用]
5~30万円
ロッカー式同様かなり安価に設定されており、施設によってはロッカー式を下回る場合もあります。

[メリット]
費用はかなり低く抑えれます。

[デメリット]
ご遺骨がご位牌のすぐそばに安置されていないため、お参りをしても実感がわかない、と言われるご遺族もいらっしゃいます。

費用を抑えたい方におすすめです。

合祀タイプ


永代供養塔に、他のご遺骨と一緒に安置されます。骨壺のまま安置される場合と、骨壺からお骨を出して他のご遺骨と一緒に安置される場合があります。

[費用]
3~50万円
個別のスペースがない分、かなり費用が抑えられます。特に公営霊園は10万円以下に設定されている場合が多いです。

[メリット]
供養の期間に制限がなく、施設がある限りは半永久的にご供養できます。

[デメリット]
他の方と一緒にお骨が埋葬されることに、抵抗を感じるご遺族もいらっしゃいます。また、一度埋葬されるとご遺骨を取り出すことはできません。もちろんお墓の引っ越しも不可能です。

お墓の継承者がいらっしゃらないご家族におすすめです。

海外のお墓事情


日本とはいろいろな点で文化の異なる海外は、もちろんお墓事情も異なります。それぞれの国のお墓事情について、調べてみました。

まず、日本人になじみのあるアメリカ。アメリカでは州によって埋葬方法が変わりますが、土葬が主流です。地面の下ではありながら腐敗するということで、都市部ではお墓を忌む感情が日本よりも強いと言われています。そのため、近年では火葬も増えてきているとのこと。お墓の種類としては、民間の業者によるメモリアルパーク、日本のお寺のように教会の敷地内にある霊園、都市型霊園等があります。お盆のように「この時期にお参りする」という習慣はなく、故人の誕生日や没日、記念日等にお参りをすることが多いそうです。

お隣の韓国でも土葬が主流でしたが、土地の高騰などの事情により、近年はやはり火葬が過半数を超えたそうです。伝統的なお墓はお椀型に土を盛る古墳タイプですが、日本と同じフラットな地面にタテ型の墓石を建てるタイプ、古墳の横に墓石を立てるタイプ、キリスト教の影響による洋墓、納骨堂のロッカータイプも存在します。宗派は、仏式とキリスト教式がほとんどだそうです。ちなみに韓国のお盆は、旧暦の8月15日、今の9月下旬。このあたりは、日本の習慣とルーツが同じなのかもしれませんね。

仏教の発祥地であるインドでは、お墓や霊園はほとんど利用されません。インドでは人口の8割がヒンドゥー教徒ですが、ヒンドゥー教ではご遺体をそのまま、もしくは火葬してお骨を「聖なる川」ガンジス川に流すことを弔いとしています。ガンジス川は、生前の罪を清めてくれるとされているのです。ただし、ラージャスターン州など例外的に土葬が主流となっているエリアもありますし、王族は大きな陵墓を作ります。また、僧侶も土葬が一般的とされています。

中国、ベトナム、タイ、ラオスなど、アジアの国々や、メキシコ、アルゼンチンなど中南米のお墓はカラフルで華やか、装飾も豪華なものが多く、日本の静かで厳かなお墓とはかけ離れたイメージを持っています。外国から来た観光客がお墓を写真に撮って楽しむなど、日本では考えられないお墓事情ですね。


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